死後の世界観が与えた影響 / 宗教で不幸にならないために [空想・哲学・思想]
たいていの宗教には死後の世界という概念がある。
細かい違いは多いが、基本的な部分は変わらない。
生きている間により多くの善行を積んだものが、死んだ後により良い場所(高位の場所)にたどり着けるという考え方であり、悪行を重ねたものは、より悪い場所へ落とされて長い間苦しむことになるという考え方だ。
この考え方があるからこそ、今の文明社会があると言える。
そして、実に功罪の多い考え方でもある。
死後の世界観が人類に与えた影響
平和な時には、この死後の世界観はとても重要なものになる。
悪人を減らし、善人を増やすからだ。
人間は自分にとっての利害に敏感だ。
だからこそ、死に近づけば近づくほど(年を取れば取るほど)人は善行を積もうとする。
一転して、戦時にこの考え方を歪めて利用すると恐ろしいことになる。
人を殺すという行為が悪行ではなくなるからだ。
敵側の人間であるという理由で、罪のない人間を簡単に傷つけることができるようになってしまう。
最近で言えばISと呼ばれるテロ組織。
日本で言えばオウム真理教などが悪い例として挙げられる。
宗教の中の死後の世界観という概念の影響は非常に大きく、これから先も途絶えることなく続いていくだろう。
自分が無宗教だと思っている人間にさえも、宗教というものは意外と影響を及ぼしていたりするのだ。
それほどまでに宗教は、特に死後の世界観というものは人類と密接に結びついている。
だからこそ、誰がいつ宗教に目覚めてもおかしくはないのだ。
挫折、絶望、失望、不条理、恐怖、目標の喪失、親しい者の死。
心が弱り、生きる気力を失ってしまう可能性は常に存在している。
もしも何かしらの縁でどこかの宗教に入信した時、その中の悪影響を遠ざけ、可能な限り良い影響を受け続けるにはどうすればいいだろうか。
宗教で不幸にならないために
宗教は心の薬だ。
人生の苦境に立たされた人や心の弱い人には特効薬とすらなる強力な薬。
しかし、それは過剰に摂取しすぎれば毒になる。
要するに一つの宗教にのめり込みすぎないように注意すればいい。
今の時代インターネットで調べれば、簡単に様々な宗教の教えに触れることができる。
色々と見比べて、自分に合う教えだけを選び取っていけばいい。
それと、特に気をつけなければいけないのが、宗教へのお布施(宗教関係のお金の使い道)だ。
「とある新興宗教にのめり込んでしまい、その結果家族から見放され、友人からは距離を置かれ、気づいたときには役に立つかもわからないガラクタに囲まれて無一文になっていた。」なんていう話はもはや珍しい話ではない。
宗教にのめり込みすぎて身を滅ぼす人のほとんどは、金銭を支払いすぎたことが原因だ。
当たり前のことだが、高額すぎるものや効果が不確かなものは買わないこと。
そんなものよりも、睡眠の質が良くなる布団や腰痛になりにくい椅子を買ったり、家族と美味しいものを食べに行くなど、確実に自分や周囲の人の利益になることにお金を使うべきだ。
何を信仰するのも自由だが、困難に出会うたびに神や仏が毎回都合よく助けてくれるとは思えない。
基本的に期待せず、あれば儲けものくらいに考えておくべきだ。
人生の苦境に陥ったとき、最後に自分を救うことができるのは、やはり自分だと僕は思う。